副鼻腔炎(蓄膿症)の治療とは?おすすめの治し方を紹介
「鼻水が出る」
「鼻が詰まる」
「おでこやほほが痛い」
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれていた病気です。
副鼻腔炎(蓄膿症)になると、はじめの鼻水はサラサラとしていますが、次第にドロッとした黄色や緑の鼻水に変化したり、鼻が詰まったりします。
慢性化してしまうと顔の頬骨の近くにある上顎洞(じょうがくどう)に膿が溜まるだけでなく、頭痛やだるさ、においを感じなくなるなどさまざまな症状が現れます。
副鼻腔炎(蓄膿症)は早期の治療が重要な病気です。適切な治療をおこなわなければ慢性化し、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高いため注意が必要です。
本記事では、副鼻腔炎の治療方法を詳しく解説します。
また、自宅で治療はできるのか、市販薬は使えるのかについても紹介します。
なお、本記事は副鼻腔炎の治療について知りたい方だけでなく、以下の症状を自覚している方にもおすすめです。
- 慢性的に鼻水が出る
- 鼻詰まりや頭痛、顔や頬の違和感がある
副鼻腔炎(蓄膿症)の治療方法
副鼻腔炎(蓄膿症)の治療方法の基本は、抗生物質や鼻の炎症を抑える薬を使用する投薬治療です。投薬治療で症状の改善が見込めない、副鼻腔炎(蓄膿症)を繰り返す場合には手術をする場合もあります。
一般的な副鼻腔炎(蓄膿症)の治療方法は以下のとおりです。
- セルフケアをする
- 薬を飲む
- 鼻の処置、ネブライザーをする
- ステロイドの点鼻薬をする
- 手術をする
それぞれについて詳しく解説します。
セルフケアをする
副鼻腔炎(蓄膿症)のセルフケアは、鼻の通りを改善し膿を出しやすくするためにおこないます。代表的なセルフケアをご紹介します。
- 蒸しタオルを鼻の上に置いて、蒸気を吸入する
- 暖かい飲み物を飲んで鼻の通りをよくする
- 鼻うがいをして膿を出す
これらのセルフケアによる副鼻腔炎(蓄膿症)の症状改善効果には、個人差が大きいため注意が必要です。
さらに誤った方法でおこなうと、鼻の粘膜を痛め症状を悪化させてしまうことも……。
またセルフケアには、副鼻腔炎(蓄膿症)の原因を改善したり、病気を治す効果はありませんので、症状が長引く場合には医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
薬を飲む
細菌感染が原因の副鼻腔炎(蓄膿症)の場合には、抗生物質が著効するケースがあります。しかし、細菌感染以外の原因で発症している場合には効果が期待できませんし、症状を悪化させる場合があります。
必ず、医師の指示に従って薬を飲むようにしましょう。
鼻ネブライザーをする
鼻ネブライザーとは抗生物質やステロイドなどを霧状にして、鼻から吸う治療方法です。超音波で細かい霧状になった薬剤が鼻の奥の粘膜まで直接届くため、効率よくすみやかに炎症を和らげる効果が期待できます。
鼻ネブライザーとは抗生物質やステロイドなどを霧状にして、鼻から吸う治療方法です。超音波で細かい霧状になった薬剤が鼻の奥の粘膜まで直接届くため、効率よくすみやかに炎症を和らげる効果が期待できます。
参考:Kyotin 必要?知っててほしい ネブライザーのお話
ステロイドの点鼻薬をする
ステロイドには鼻の粘膜の炎症を抑える効果があります。鼻の中に直接薬を噴霧することで、鼻の炎症を抑え、鼻通りをよくする効果が期待できます。
しかし、ステロイドの点鼻薬を長期間使用し続けると、鼻の粘膜が使用前よりも腫れてしまい症状が悪化します。
ステロイドの点鼻薬を自己判断で使用することは、決しておすすめできません。
必ず医師の診断・処方を受けて、適切な方法でステロイドの点鼻薬を使用しましょう。
手術をする
前述の対症療法を数か月行っても症状の改善が見込めない方や、副鼻腔炎(蓄膿症)を繰り返して発症する方は、根本治療として手術療法を選択するケースがあります。
代表的な副鼻腔炎(蓄膿症)の手術名と特徴は以下の通りです。
手術名 | 特徴 |
ESS(内視鏡下鼻副鼻腔手術) | 内視鏡で鼻の通り道を広げたり、腫れた粘膜やポリープを除去する |
内視鏡下鼻内整復術 | 内視鏡で鼻の中の軟骨や骨の構造を修復する |
関連ページ:副鼻腔炎(蓄膿症)・鼻炎の日帰り手術
副鼻腔炎(蓄膿症)は自力で治せる?おすすめの市販薬はある?
とても症状の軽い急性副鼻腔炎では、何も治療をしなくとも70%の人が10日〜2週間程度で治るといわれていて、自力で治ってしまうケースが少なくありません。
また、急性副鼻腔炎の場合には、鼻の奥に溜まった膿をこまめに出してあげることが、症状改善につながりますので、できるだけ鼻水はだしてしまうようにしましょう。
おすすめの市販薬には、次のような商品があります。
内服薬 | 生薬を配合した漢方薬が膿を出しやすくする 副鼻腔炎(蓄膿症)の鼻詰まりを改善する効果が期待できる |
点鼻薬 | 鼻の粘膜の炎症や腫れを抑え、膿を出しやすくする |
鼻うがい | 鼻の中の細菌、花粉、ウイルスを洗い流す |
しかしなかなか症状が改善しないケースや、繰り返して副鼻腔炎(蓄膿症)を発症するケースは、慢性化副鼻腔炎になっている可能性が高く、抗生物質を用いた適切な治療が必要です。
副鼻腔炎(蓄膿症)の治療をしないとどうなる?
急性副鼻腔炎の治療をおこなわないと、約30%の方は慢性副鼻腔炎になります。
慢性副鼻腔炎は、膿のような鼻水が溜まった状態が続くだけではありません。鼻詰まりや頭痛、目のまわりの痛み、中耳炎などの合併症を発症するリスクが高くなります。
そのほかにもだるさが改善しない、臭いがわからないなど、日常生活に影響を与えるケースもあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)の方は、医療機関を受診し適切な治療を受けるようにしてください。
改めて知りたい!副鼻腔炎(蓄膿症)はどんな病気?
最後に副鼻腔炎(蓄膿症)とはどのような病気なのか、種類や原因、特徴、症状について簡単に解説します。
副鼻腔炎(蓄膿症)の種類と原因・特徴
副鼻腔炎の原因は大きく以下の2つにわけられ、それぞれに次のような原因や特徴があります。
種類 | 原因 | 特徴 |
急性副鼻腔炎 | 風邪や喘息などの細菌感染 | 通常は1~2週間で完治する |
慢性副鼻腔炎 | 急性副鼻腔炎を繰り返し発症したり、長引いたりしたことで慢性化した状態 | 3か月以上症状が続き、よくなったり悪くなったりを繰り返す |
副鼻腔炎(蓄膿症)の症状
副鼻腔炎(蓄膿症)の初期症状は、鼻水や鼻づまりなど風邪のような症状です。
加えて以下のような症状を自覚したら、副鼻腔に膿が溜まっている可能性が高いため注意が必要です。
- 黄色や緑色の鼻水が出る
- 粘り気のある鼻水が出る
- 鼻が詰まる
- 頭が痛い
- 目の周りが痛い
- 歯の痛みや違和感がある
- 痰がからむ
症状が数日続く場合や、なかなか改善しない場合には、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。
関連ページ:慢性副鼻腔炎(蓄膿症)については
副鼻腔炎(蓄膿症)の治療なら日帰り手術もできる当院へ!
副鼻腔炎(蓄膿症)にかかった患者さんの約70%は、数日間の抗生物質の服用など適切な治療で完治します。
しかし抗生物質を飲んだり、点鼻薬や鼻処置、ネブライザーなどの治療で効果がないケースでは、手術で膿を出しやすくしたり、溜まりにくくする手術をおこなう必要があります。
副鼻腔炎にかかった患者さんの約30%は慢性化してしまうリスクがあるため、早期の適切な治療が欠かせません。
当院では副鼻腔炎(蓄膿症)の初期治療だけでなく、手術もおこなっております。
慢性的な鼻水や鼻づまりに悩んでいる方、他の病院で副鼻腔炎(蓄膿症)の治療を受けているが治りにくい方など、どのような事でもかまいません。
ぜひ、副鼻腔炎(蓄膿症)の治療について当院にお気軽にお問い合わせ下さい。
関連ページ:鼻中隔弯曲症の手術
この記事の監修者
・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務
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アクセス
- クリニック名
- 医療法人社団皐八会 武田耳鼻咽喉科
- 住所・所在地
- 〒354-0018 埼玉県富士見市西みずほ台1-19-5
- 電話番号
- 049-254-8733
- アクセス
- 東武東上線みずほ台駅西口、駅から徒歩1分。交番隣り。
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